大学生の私は、ある日サークルの飲み会に出ていました。
そして、夜遅くに自宅の最寄駅につきました。
見たことがない古本屋が開いていた
駅からフラフラ歩いていると、普段その道を通る時間に営業しているのを見たことがない古本屋が開いていました。
文学部に所属していた私は古本屋巡りが好きでした。
ほろ酔いの頭で深く考えず、家から2分と離れていないその古本屋に入りました。
中は至って普通の古本屋さん
中は至って普通の古本屋さん。
お客さんは男性一人だけ。
その人も私が入るとすぐに出て行ってしまったのです。
お店は奥に向かって細く長く続いているつくりでした。
奥には白髪交じりのおじさんが座って本を読んでいました。
おじさんは私の顔を見るとにっこり微笑み、
「どんな本をお探しですか」
と話しかけてきてくれました。
酔っていた私は興味のある分野について色々訪ねました。
おじさんの身の上話が終わらない
するとおじさんはお茶を出してくれて、自分の身の上話を始めたのです。
いい加減話を聞き飽きて、私が帰りたいような素振りを見せると、おじさんは攻撃的な物言いになり、また話を続ける・・・。
席を立ち帰るきっかけになれば・・・とお手洗いを貸してもらったところ、地球や怪しげなオーラに関するポスターや置物だらけ・・・。
本能的にこれはやばい!!!と判断して、ろくに顔も見ず「長々とおじゃましました、さようなら!」と走って帰りました。
アパートの階段の下におじさんがいた
翌日、昨日は怖かったなぁと思いながらアパートに帰ると、なんとアパートの階段の下におじさんがいたのです。
近くに住んでいると口を滑らしてしまったせいか、走っていく様子を後ろから見ていたのか・・・。
その日は同居していた兄を喫茶店で待ち、一緒に家に帰りました。
そのあとおじさんが家の前に現れることはありませんでした。
もう夜酔っ払っている状態での寄り道は絶対にしないと心に誓いました。